離婚の時に問題となるお金の問題〜婚姻費用〜
公開日:2019/01/02
夫と別居したんだけど生活費を支払って欲しい!
夫は住宅ローンを払ってあげているから生活費は支払わないと言ってきた!
岡山で離婚問題にお悩みの方
このコラムでは
別居した際の生活費の話
すなわち婚姻費用
についてご説明いたします。
婚姻費用とは?
夫婦は
その資産,収入その他一切の事情を考慮して
婚姻から生ずる費用を分担する
とされています。
この婚姻から生ずる費用のことを
婚姻費用
といいますが
内容としては
要するに,生活費のことです。
婚姻費用はいつから請求できるか
実務では
婚姻費用は「請求時」から請求できる
とされていますが
調停又は審判の申立時だけでなく,
その前に事実上請求していれば
その事実上の請求時も
「請求時」に含まれるとされています。
もっとも
あとで請求していないなどと言われる可能性もありますから
内容証明郵便などで請求すると
間違いがなくてよいでしょう
(東京家裁平成27年8月13日審判)。
婚姻費用の分担時期が「請求時」よりも遡る場合
もっとも
婚姻費用を支払わなくてはいけない人が
権利者が扶養を要する状態にあることを知りながら
婚姻費用を支払わなかった場合
別居に至る事情
婚姻費用を支払う義務を有する人間の収入や資力から見て
請求以前に遡っても過酷とは言えない場合
分担を免れることが著しく公平を害するような場合には
分担させることができると
考えられています。
いつまで婚姻費用を請求できるか
婚姻費用は,
婚姻という法律関係から生じるものですから
離婚が成立すれば
請求権は消滅します。
審判や調停になっている場合は
別居しているために紛争になっていることが多いので
離婚が成立するか
円満に解決して同居に至る場合も
婚姻費用の分担はなくなると
決められることが多いです。
離婚後に婚姻費用を請求できるか
上記のとおり
離婚が成立した場合は
その請求権は消滅します。
ただし,離婚前に請求手続をした場合は
過去に婚姻費用が発生していますから
その請求権は消滅しません。
過去の婚姻費用の精算は
離婚後は,
婚姻時の財産関係等の精算として
財産分与の方法によるべき
とされています(神戸家庭裁判所昭和37年11月5日審判)。
もっとも
財産分与の対象となる財産が存在しない場合は
婚姻費用分担請求権として
処理されます。
また
離婚前に請求していないものは
離婚慰謝料算定の要素として
考慮される場合もあります。
婚姻費用の額
婚姻費用の額は,
夫と妻の収入,子どもの年齢人数により
決まります。
具体的には,
最高裁判所が
令和元年12月23日に
新しく改訂婚姻費用算定表を公表しました。
この算定表に基づき
婚姻費用が決められます。
従来の算定表よりも
1ないし2万円ほど高額になるようです。
最後に
以上のとおり
最高裁判所が公表している算定表に基づき
婚姻費用が定められます。
過去の婚姻費用を支払ってもらえていない場合も
財産分与などで考慮される可能性もありますから
諦めずに請求しましょう。
婚姻費用でお困りの方は
岡山弁護士会所属の当事務所にご相談ください。
女性弁護士が対応いたします。
お問い合わせは
〒700−0815
岡山県岡山市北区野田屋町1丁目12番地14号
佐々木ビル201号
安原法律事務所
岡山弁護士会所属
TEL 086−206−3485
FAX 086−206−3486