岡山で遺産相続問題に悩んでらっしゃる方へ
更新日:2019/10/01
遺産相続問題――。
それは,突然あなたの下に降りかかります。
遺産相続問題は,身内同士の間で勃発する紛争であるがために,
それまでは非常に仲がよい親族であったのにもかかわらず,
ちょっとした行き違いから,思いがけない感情的な対立が生じて泥沼化したり,
解決が長引いて長期化したりします。
そのため,遺産相続問題でお悩みになる方の精神的な負担は
非常に大きいものになります。
相続問題の決着がつかないばっかりに
経済的に多大な負担を強いられることもあるのです。
ですので,生前に正しい法律知識を得て
自分の遺産相続問題に適切に対応しておくことは
自分の死後の家族の幸福のために必要なことですし,
突然身近な方が亡くなって遺産を受け取ることになってしまった方も,
正しい法的知識を得て,冷静に適切な対応をするということは,
遺産相続問題を泥沼化させず,早期に解決するために,
とても大切なことになります。
まず,前提として,以下のとおり,遺産相続の流れと弁護士の役割を確認します。
なお,このサイトは,基本的には以下の文献を参考にさせていただいております。
○「全訂判例先例相続法TないしW」
著:松原正明
○「第3番家庭裁判所における遺産分割の実務」
編著:片岡武・菅野眞一
○「実務相続関係訴訟 遺産分割の前提問題等にかかる民事訴訟実務マニュアル」
編著:田村洋三・小圷眞史
著:北野俊光・雨宮則夫・秋武憲一・浅香紀久雄・松本光一郎
○「一問一答・新しい相続法 平成30年民法等(相続法)改正,遺言書保管法の解説」
編著・堂薗幹一郎・野口宣大
1 相続の発生
不幸にもお身内が亡くなられた場合は,相続が開始します。
死亡届の提出が必要です。
2 遺言書が存在する場合
遺言書が存在する場合は,家庭裁判所にて検認の手続が必要です。
遺言書が発見されたけど,納得できない!という場合は,
地元岡山で遺産相続問題を扱っている当事務所にご相談下さい。
遺言作成時の遺言者の遺言能力や遺言の方式等に間違いがあるとして,
遺言の効力を争ったり(遺言無効確認訴訟),
遺言の内容が一定の相続人に不公平に過大に遺産を与えているという場合には,
自分の最低限の相続分(遺留分)を確保するため
遺留分侵害額減殺請求(旧法の遺留分減殺請求)
をしたりできる場合がございます。
地元岡山で遺産相続問題を扱っている弁護士がご相談に乗らせていただきます。
3 相続を放棄したい場合
突然莫大な借金を相続してしまった!
面倒な相続問題に煩わされたくないので,何とかできないか・・・
このような場合は,相続放棄をすることができます。
相続放棄をすると,その相続に関しては,
初めから相続人とならなかったものとみなされます(民法939条)ので,
借金などの負の遺産を相続する必要がなくなるのです。
しかし,相続放棄は,相続人が自己のために相続の開始があったことを知ったときから
3か月以内にしなければなりません(民法915条1項)。
この点は,気をつける必要があります。
もっとも,3か月を経過してから,莫大な借金が残されていたことに気付くこともよくあります。
その時も,地元岡山で遺産相続問題を扱っている当事務所の弁護士が
ご相談に乗らせていただきます。
4 相続人の確定
亡くなった方(被相続人)の生まれたときから死亡するまでの戸籍を取得して,
全相続人を確定する必要がございます。
遺産分割協議は,
全相続人と協議をして,
全相続人の同意があって初めて成立するものです。
ですので,一部の相続人が欠けた状態で行われた遺産分割協議は
原則無効となり,
遺産分割協議を初めからやり直さなければいけなくなります。
また,そもそも法務局や各金融機関が
被相続人名義の不動産や預貯金の名義を変更する際には,
被相続人の生まれたときから死亡するまでの戸籍の提示や
全相続人の実印の押捺なども要求しますので,
全相続人の同意のない遺産分割協議に基づいては,
名義を変更できません。
したがいまして,被相続人の生まれたときから死亡するまでの戸籍は,
全部取得して,最初に相続人を確定する必要があるのです。
この時,戸籍を調査したところ・・・
お父さんに隠し子がいたことが判明したけど,
隠し子が生まれたときお父さんは海外にいて日本で子どもを作ることができなかったのにおかしい!
お父さんが亡くなる直前に,いきなり出てきた女性と婚姻(養子縁組)していた!
お父さんが亡くなる直前にお母さんと離婚していたが,
お母さんは,離婚届を出されていたなんて知らなかった!
自分は認知をしてもらえないまま,お父さんが亡くなった!
などといった問題が発生した場合には,
地元岡山で遺産相続問題を扱っている当事務所の弁護士にご相談ください。
親子関係存否確認の訴え,
認知の訴え,
婚姻無効確認の訴え,
離婚無効確認の訴え,
養子縁組無効確認の訴え,
離縁無効確認の訴え
などといった訴訟を提起できるか否か検討いたします。
5 遺産の調査
各金融機関には,
被相続人名義の預貯金口座の残高証明のみならず,
取引履歴の提示も求めるべきです。
取引履歴を見ると,不自然な引き出しや振込がないか
確認できます。
受取人が決まっている生命保険金は,原則遺産になりませんが,
受取人の定め方によっては遺産になる場合もございますので,
念のため確認しましょう。
被相続人が株や投資証券の運用などを行っていた場合は,
証券会社に対する照会も必要になります。
弁護士は,弁護士会照会を通じて,
被相続人の相続財産を調査することもできますので,
一度当事務所にご相談いただければ,と存じます。
基本的には,遺産の調査の際には,
被相続人名義の遺産の調査をすることになりますが,
以下のような場合もございます。
お父さん名義のあの不動産は,本当は私が購入した不動産なんだけど・・・
兄名義の定期預金口座は,本当はお父さんがお金を出して作ったんだけど・・・
などということで困ってらっしゃる方は,
地元岡山で遺産相続問題を扱っている当事務所の弁護士にご相談ください。
遺産確認請求訴訟を提起できるか否か検討いたします。
6 遺産の評価
遺産の範囲が定まったら,次に問題となるのは,遺産の評価をどうするかです。
不動産,株式(特に非上場株式),動産の評価については,
紛争になる場合がよくあります。
不動産では,各相続人の合意があれば,
固定資産評価額や相続税評価額などで
簡易に評価することも行われます。
しかし,合意ができない場合は,
不動産鑑定士,公認会計士などの専門家に
評価書を作成してもらうことが考えられ,
裁判所の遺産分割調停または審判といった裁判所の手続が進行している場合は,
鑑定を行うことになります。
7 特別受益と寄与分
お兄ちゃんは,お父さんから生前に不動産を贈与してもらっていたから,
遺産分割の際に法定相続分をそのままもらうのは不公平だ!
私は,農家をしていたお父さんを長年にわたって無給で手伝いをしていたのに,
遺産分割の際に法定相続分しかもらえないのは不公平だ!
このような場合は,特別受益や寄与分の考え方に従って,
遺産分割を行います。
特別受益と寄与分とは何でしょうか?
1 特別受益
生前贈与を相続分が前渡しされたものとみなして,
計算上生前贈与の金額を相続開始時の相続財産の金額に加えて,
相続分を計算する制度です(民法903条)。
2 寄与分
被相続人の財産の維持または増加について特別の寄与をした場合は,
相続開始時の相続財産の金額から寄与分を控除したものを
相続財産とみなし,
寄与した者は,
その相続財産から計算した相続分に寄与分を加えた金額を
相続分とする制度です(民法904条の2)。
このような特別受益や寄与分があるが,他の共同相続人に認めてもらえない場合は,
一度地元岡山で相続問題を扱っている当事務所の弁護士にご相談ください。
3 まとめ
遺産分割は,各相続人の協議で行うことができますが,
特別受益や寄与分で紛争になると,
家庭裁判所に調停を申し立てる必要が出てくる場合も多いです。
家庭裁判所で調停が成立しなければ
最終的には審判といった形で決着が付けられます。
遺産分割の法的論点は,多岐にわたり,
調停審判手続は,複雑となっています。
相続でお悩みの方は,当事務所にご依頼いただければ,
地元岡山で相続問題を扱っている当事務所の弁護士が代理人になって,
サポートをさせていただきます。
8 遺産分割の方法
遺産は,実家の不動産しかないけど,どうやって分割したらいいの?
このような場合は,遺産分割がもめてしまうことが多いです。
具体的な分割方法には,
現物分割,
代償分割,
換価分割,
共有分割
の4種類があります。
具体的な内容は,以下のとおりです。
1 現物分割
文字通り「現物」を分割することであり,
個々の物をそのまま各相続人に取得させる分割する方法です。
不動産は,お兄ちゃん,預貯金はお姉ちゃん,証券は私などといった分け方です。
原則的な遺産分割の方法です。
2 代償分割
一部の相続人に法定相続分を越える額の遺産を取得させ,
その取得した相続人には,他の相続人に対し,
代償として,金銭の支払いをさせる方法です。
お兄ちゃんに不動産を渡したけど,金額的に本当はもらえるはずの金額より高いから,
お兄ちゃんにはもらいすぎた分を金銭で払ってもらうといった分け方です。
代償分割は,特別の事由があるときにしか認められていません。
3 換価分割
遺産を売却した後に,その売却代金を分配する方法です。
文字通り分ける前に売却して売却代金をわけるやり方です。
換価分割は,現物分割も代償分割もできない場合に,
全相続人の合意に基づき,
行われる遺産分割の方法です。
4 共有分割
遺産のうちある財産について
複数の相続人の共有とする分割方法です。
不動産をお兄ちゃんと私の二人のものとするなどといった分け方です。
共有分割は,
現物分割も代償分割も換価分割も難しい場合に初めて認められる
遺産分割の方法です。
遺産の一部が共有になっても,
各共有者は,いつでも共有物分割訴訟(民法258条)を提起して,
共有状態の解消を求めることができます。
そのため,共有分割は,抜本的な解決にならないので,あまり選択されません。
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