岡山で借金問題にお悩みの方へ

自己破産しても自動車はそのまま使用できる?

 

 

 

公開日:2021/05/15

 

借金で首が回らない!
自己破産して楽になりたい!
でも自己破産したら今使用している自動車はどうなるのかしら?

 

このような疑問をお感じになってらっしゃる
借金で苦しまれている方に向けて
このコラムを作成しています。

自動車が家族名義

 

仮に現在使用している自動車が
自己破産される方の名義のものではなく
元々家族名義のものである場合
現在使用している自動車が引き揚げられることは
ありません。

自動車が自己破産される方の名義

 

自動車が自己破産される方の名義の場合は
自由財産になるか,破産財団になるか
でわかれてきます。

 

破産財団とは
自己破産される方の財産で,破産手続において
破産管財人にその管理及び処分をする権利が
委ねられる財産をいいます。

 

基本的には
自己破産される方が破産手続開始の時に有する一切の財産をいいます。

 

ただし,
自己破産される方の財産が全て
破産管財人にその管理及び処分が委ねられるとすると
自己破産される方の生活が立ち行かなくなります。

 

そこで,自由財産という概念があります。

 

自由財産とは
破産財団の範囲に含まれず,
自己破産される方が自由に管理・処分できる財産
をいいます。

 

具体的には
破産手続開始の後に取得した財産
現金99万円まで
生活に欠かせない衣服・寝具・家具・台所用品など
賃金の4分の3(ただし33万円を超える部分は破産財団)
退職金債権の4分の3
一身専属性のある財産(財産分与請求権など)
です。

 

これらに当たらない場合は
破産財団として破産管財人に委ねられることになりそうです。

 

しかし,自由財産の拡張という制度がございます。

 

これは,法律上自由財産とはいえなくても,
裁判所の決定により
自由財産の範囲を広げていこうという制度です。

 

例えば,
預貯金(現金ではないので本来的な自由財産ではありません)
生命保険(保険解約返戻金)
敷金返還請求権
退職金
自動車
などが自由財産の拡張が認められる可能性のある財産であります。

 

自由財産の拡張が認められた場合は
自己破産される方が自由に使用しても大丈夫です。

 

自動車の場合は,裁判所では
その評価額が20万円以下なら
そもそも同時廃止の場合もありますし
同時廃止にならない場合も
自由財産の拡張が認められることが多いようです。

 

評価額は基本的には
自己破産される方に査定書をとってもらいますが,
岡山地方裁判所の運用では
原則として初年度登録から7年で無価値とされていますから
その場合査定書は不要です。

 

ただし
高額での売買が見込まれる車種
トラックなどの特殊車両
改造等を行った車両
申立の1年前に100万円以上で購入した車両などは
やはり査定書が必要になってきます。

 

まとめると
初年度登録から7年が経過している車両
20万円以下の査定書がある車両
などは
そのまま使用できる可能性が高いです。

信販会社などが名義人となっている所有権留保付きの自動車

 

自動車を分割で購入すると
通常自動車の登録は
信販会社(又は販売会社)の名義となっています。

 

これは,一般的に
所有権留保が付いている車両
と呼んでいます。

 

自動車ローンが完済されるまで
債権者である信販会社などが
自動車の所有権を購入者に移転せず,
所有権を有したままにして
仮に購入者が支払を怠った際には
その自動車を引き揚げて
自動車ローンに充当する
ということをしています。

 

そして,自己破産する場合には
自動車ローンの支払いを継続することもできませんので
自動車が引き揚げられてしまうのかということが問題となるのです。

 

この点,所有権留保が登録された(対抗要件を具備した)自動車については
破産時にも,債権者は別除権として行使できる
というのが判例です(最高裁判所平成29年12月7日判決)。

 

したがいまして,車検証の所有者の欄に
信販会社などが記載されている場合は
別除権の行使で必要な対抗要件が具備されていますので
自動車を引き揚げられてしまいます。

 

そのため
自動車をそのまま使用することはできなくなります。

最後に

 

以上となります。

 

自己破産しても今使用している自動車をそのまま使用できる場合もありますし
手放さなければならないときもあります。

 

岡山で借金でお困りの方は
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