岡山で借金問題にお悩みの方へ

自己破産の前に交通事故に遭った場合はどうなる?

 

 

 

公開日:2021/05/03

 

借金だらけで首が回らない!
自己破産しようかどうしようか悩んでいる・・・
そんなときに交通事故に遭ってしまった!

 

交通事故の加害者から損害賠償金もらえるのかな?

 

と疑問の方にこのコラムを作成致しました。

破産財団ってなに?自由財産ってなに?

 

破産財団とは
破産者が破産手続開始の時において
有する一切の財産のことです(破産法34条1項)。

 

すなわち,基本的には
破産手続開始時に破産者が持っている全財産
ということになります。

 

そして,破産手続においては
破産管財人が破産財団に対して
その管理及び処分をする権利を有することになります(破産法2条14項)。

 

要するに
債権者に分配されるべき財産として
破産管財人が管理し時には処分してお金に換えて
債権者に一部でも返済する原資となるものです。

 

しかし,
例外はあり
それは自由財産といわれているものです。

 

自由財産とは
破産財団の財産に含まれず,
破産者が自由に管理及び処分できる財産のことをいいます。

 

これに加えて,
自由財産の拡張
という制度も認められています(破産法34条4項)。

 

自由財産の拡張は
裁判所の決定により,
破産者が自由に管理及び処分できる財産の範囲を
拡張する制度です。

 

そのため
自由財産に該当せず
自由財産の拡張も認められない場合は
破産者の破産手続開始時の財産は
破産者が自由に費消することができなくなり
破産管財人が管理及び処分することになるのです。

 

一方,交通事故に遭遇すると
交通事故被害者は,交通事故加害者に対し
損害賠償を請求することができるのは
ご存じのとおりかと存じます。

 

では,破産手続開始前に
交通事故に遭ってしまった!
すなわち
破産手続開始時に
交通事故加害者に対し損害賠償請求権を有していた場合
これは当然
破産者の破産手続開始時の財産
要するに破産財団になりそうなので
交通事故被害者は損害賠償金をもらえないのか・・・
という点が問題となります。

 

しかし,
交通事故は被害者の生命に関わることもありますし
傷害を負っただけでも治療などに
莫大な費用がかかります。

 

重度な後遺傷害を負った場合に
損害賠償金がもらえないとすると
交通事故被害者の救済が図れません。

 

ではこのようなときは
どのように考えるのでしょうか?

治療費,休業補償,逸失利益

 

治療費は
破産管財人が
破産財団に取り込むことはないと考えられています。

 

保険会社が一括対応している場合には
病院等に直接支払われていますし,
そうではない場合も
被害者の生命及び健康に関わる治療費が
支払われないということは
人道的にあってはなりません。

 

介護費用や入院雑費についても
自由財産ないし自由財産拡張財産になると考えられています。

 

そして,休業補償や逸失利益についても
自由財産の拡張が柔軟に認められています。

物損

 

ただし,物損についての損害賠償金は
破産財団になるとされています。

慰謝料

 

それでは慰謝料はどうでしょうか?

 

この点についてはいろいろな説がありますが
結論をご説明すると
一部は破産財団に加えられることになる可能性はありますが
慰謝料は基本的に一身専属性がある
すなわち,本人しか請求できないのが基本
と考えられていることから
かなりの割合で自由財産の拡張が認められるべき
要するに,破産者に帰属させるべきとされています。

最後に

 

以上が
自己破産の前に交通事故に遭った場合の
損害賠償金がどうなるかという問題についてのご説明です。

 

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